ロジカルな幻想
- Kenta Adachi
- 28 minutes ago
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「私はロジカルさが足りず、組織が納得して動ける環境を作れていない、組織をうまく率いていくことができていないと感じる。どうすればよいか?」
変化が大きなスタートアップや成長フェーズの組織を率いるリーダーから、少なからず、こんな相談をもらうことがあります。
さて、このようなケースで、文字通り、ロジカルさを確保すれば、問題は解決されるのでしょうか?
「ロジック不足」は単なる表面上の不快症状に過ぎない
現場で「もっとロジカルにやってくれ」「納得感がない」という不満が溜まると、真面目なリーダーほど「自分には論理的思考力が足りない」と恐怖を感じ始めます。
ですが、ここで胸に手を当てて考えてみてください。
「もし全員が納得する完璧なロジックを提示できたら、今の組織の不満や疲弊はすべて解決するのでしょうか?」
答えは「NO」ではないでしょうか。
どれだけ理詰めで説明しても、納得しない人は納得しません。そもそも「ロジカルかどうか」というのは、組織を動かす上ではひとつのツールに過ぎません。
「自分のロジック不足が原因だ」と思い始めた瞬間、リーダーは「幻の罠」にはまり込み、打つべき手を間違えてしまいます。
本当の犯人は「北極星」の不在
では、なぜ組織が収拾不全に陥り、メンバーが「メンタル疲労」を起こして疲弊していくのか?
原因は極めてシンプルです。
「この組織は何を目指しているのか」という北極星(目指すゴール)が、気持ちが悪いくらい徹底的に握り合えていないから、です。
目指すべき北極星が腹の底から共有されていない組織では、全員がそれぞれの思惑や視点から「脊髄反射」で議論を始めます。
判断基準(軸)がないから議論は当然平行線になり、不満が残る。
すると、議論に疲れた誰かが、ふと「もっとロジカルに議論しようよ」と言い出し、周りも「そうだ、ロジックがないのが悪いんだ」と同調してしまい、そもそも何を目指して議論をしていたかすら見失う。
こうなると、メンタル疲労が先行し、雰囲気はどんどん悪くなっていきます。
「気持ちのよい脳みその疲労」をつくれているか
ゴールが狂おしいほど共有されていれば、議論が割れた時の問いはひとつになります。
「で、どっちの案が、あの北極星に早く到達できるんだっけ?」
この観点で交わされる激しい議論は、不信感を生む「メンタル疲労」ではなく、前向きで質の高い「気持ちのよいブレイン疲労」です。
リーダーの唯一無二の役割とは
強いリーダーとは、超絶的なロジックを持っている人でも、完璧なスキルを持つカリスマでもありません。
「組織全員、ステークホルダー全員と、目指すゴールを気持ちが悪いくらい握り合わせ続ける人」です。極論、その他の実務スキルなんてスカスカでも構わないのです。
「自分にはロジックが足りないから」と役職を譲ったり、外部からロジカルな参謀を連れてきたりしても、上位概念である「北極星」が曖昧なままなら、誰を連れてきても組織は迷走します。
目の前の「ロジック不足」という表面的な症状に惑わされてはいけません。
今やるべきは、組織のみんなで一緒に目指す、楽しくて仕方がないゴールを設定し、共有し、繰り返しアピールし、育てていくことです。
皆さんの北極星は、どんな北極星ですか?


