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コンフォートゾーンという悪魔

Writer: Kenta AdachiKenta Adachi

世の中には「怖いもの」がいろいろあるが、「コンフォートゾーン」もそうした怖いものの一つではないだろうか。


コンフォート(Comfort)とは、快適、心地よい、といった意味をもつ。そこにゾーンがついた「コンフォートゾーン」とは、無理をしなくてもいい快適で心地よい領域、という意味になる。


コンフォートゾーン自体は決して悪いものではなく、むしろポジティブなものだと思うが、状況によっては、このコンフォートゾーンが最大の厄介者となる。


コンフォートゾーンにはまってしまうと、成長が止まる。なぜなら、成長とは安定を崩すことが出発点であり、安定を崩すことはコンフォートゾーンを壊すことになるからだ。


せっかく手に入れたコンフォートゾーンを壊したくないという気持ちが無意識に働いてしまうと、挑戦しなくなり、現状維持のための言い訳が増え、守りに入る。


「いや、それをやっても結果は同じだよ」


「でも、それをやるのは無理だね」


「まだ、それをやるには早いよ」


「〇〇さん/取引先/業界の動きが遅いから、私が何をやってみ意味がない」


こうした「いや」「でも」「まだ」あるいは「他責」を並べて、自分は新しいことに挑戦しない。


イノベーションのジレンマという言葉があるが、まさにそれは、企業(あるいは意思決定者)がコンフォートゾーンにはまり、そこから抜け出す努力をしなかったことに起因していると思う。


個人単位では、過去の成功体験に縛られる、という言葉があるが、それも同じだろう。


コンフォートゾーンにはまると、現状維持バイアスが強くなり、何か大きなきっかけがないと、そこから抜け出せない。抜け出せなくなるだけならいいが、周囲はどんどん変化している環境下では、相対的にどんどん衰退・劣化することにつながる。


でも、コンフォートゾーンは心地よいので、自分が衰退・劣化していることに気づかない。気づいたときには、もう手遅れ、という具合だ。


だからコンフォートゾーンは、怖い。


自分がコンフォートゾーンにはまっているかどうかは、上述の「いや」「でも」「まだ」「他責」の罠に陥っていないかで、セルフチェックできよう。ついつい、そういう発言・思考になっていないか。


コンフォートゾーンにはまってしまっていると感じたら、意図的に何か外から「いつもと違う」刺激を与えて自分をはじき出さないと、ずっと快適な領域に留まってしまう。


大きく環境を変えるというのも一手だけど、コンフォートゾーンにどっぷりはまってしまっていると、そういうチャレンジ自体が難しい。


そういう時は、いきなり大きな無理をせず、普段着ないような服を着てみたり、普段食べないようなものを食べてみたり、普段行かないような場所に行ってみたり、そういう小さなことから、始めてみたい。


「いや、そんなことをしても何も変わらないでしょ」


という言葉をぐっとこらえて、まずは第一歩。




皆さんは、どう思いますか?

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フィジカル世界とデジタル世界の融合が進む昨今、フィジカル世界を実現させている「ものづくり」あるいは「ものはこび」の進化・変革・サステナビリティを支える技術やサービスに特化したスタートアップ投資を展開しているVCファンドです。


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