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  • Writer's pictureKenta Adachi

スタートアップだからこそ手掛けたい事業の特徴3選


ベンチャーキャピタリストとして様々な事業を知る機会があるが、その中で成長が早いと思う事業に共通する特徴がある。


今回はそうした特徴の中から、特にポイントであると思う3つを挙げたいと思う。


  1. 自己完結度あるいはコントローラビリティが高い

  2. 測定可能度が高い

  3. 工夫余地が豊富にある


以下、具体的に掘り下げていく。


自己完結度あるいはコントローラビリティが高い

これは、自らが展開する事業をどれだけ自らの制御下におけるか、ということを指している。


事業を行う以上、様々な事業パートナーと連携していく必要があるが、その事業パートナーが事業のカギを握れば握るほど、事業の主導権を事業パートナーが持つことになる。


例えば、ある部品やシステムを特定のクライアントのみに提供する事業の場合、そのクライアントの意思決定次第で、その事業の成長速度は決まってしまう。これを、自己完結度が低い、あるいはコントローラビリティが低い、という。特定のクライアントに限らず、その背景にある業界トレンドや各種規制の影響を大きく受けるものもあるだろう。


こうなると、なかなか自助努力が事業の成長スピードに寄与しにくく、場合によっては待機の時間も増えていく。もちろん、それを逆手にとって、うまく波に乗ることができれば桁違いの成長スピードを実現できることもあるが、その波が引いてしまった後で、取り残されてしまうこともありえる(一方で、各種規制が変化するタイミングはスタートアップにとって攻め時でもある)


安定的に高い成長スピードを維持している事業は、やはり、事業そのものの自己完結度あるいはコントローラビリティが高いと思うし、意図的に自己完結度を高める経営アクションをとっているように思う。


測定可能度が高い

次のポイントは、測定可能度の高さだろう。


自己完結度が高い事業を展開していたとして、その事業が適切に成長できているかどうかを定量的にはかることができてはじめて、投じた自助努力がうまく機能しているか、空回りに終わっているかを可視化することができる。


自助努力の可視化がなされないと、無駄なトライをひらすら重ねることにもなりえてしまい、多くの自助努力を投入した、厳しい作業をやりきったという充実感はあるかもしれないが、なぜかいつまでたっても事業が前に進まず、同じ場所をグルグルしてしんどいだけ、ということになってしまう。


これはKPI設定の巧拙によるところもあるが、いかにして投じた自助努力が事業の成長に寄与しているかを可視化するのか、という観点は忘れてはいけないし、それがやりやすいように事業設計していく経営アクションが肝要だろう。


工夫余地が豊富にある

最後のポイントは、工夫余地の豊富さ、である。


自己完結度が高い事業を展開し、投じる自助努力の事業成長への寄与をうまく可視化できる測定可能度の高さを実現しているとしても、とりうる自助努力のバラエティが乏しい状況では、早晩、打つ手がなくなり、そこで成長は鈍化する。


自分たちしか気づいていないような工夫余地があれば、競合他社や代替手段よりも抜きんでた成長スピードを実現できるし、何より、あれこれ工夫することは楽しくて、その楽しさが、また一層、事業を前に進める原動力にもなる。




さて、ここまで事業の成長スピードにフォーカスして、そこにあるべき事業の特徴を書いてきたが、これらの特徴と、規模が大きな事業が持つ特徴は、必ずしも一致しない。というより、一致しないことがが多いかもしれない。例えば、半導体などサプライチェーンが長い業界においては自社の自助努力だけで業界全体を変えるということは至難の業で、素晴らしい技術を持っていても待機時間が多くなることがあるだろう。しかし、ひとたび社会実装されると、非常に大きな規模の事業になりうる。その場合、その待機時間を耐えうる資源を持ち合わせているかどうかが勝負の分かれ目になる。


ベンチャーキャピタリストが相対している、時間や資源が限られているスタートアップとしては、ある程度の事業規模を意識しつつも、まずは事業の成長スピードにフォーカスして誰も気づかないうちに事業を一気に立ち上げ、その後、より規模が大きな事業モデルへシフト・拡充していくのがよいと思う(スムーズなシフトのためには、立ち上げ当初から、より大きな事業規模の市場を横目でにらみつつスタートアップモデルで橋頭保を築くのがよい)。ただし、上述したような半導体関連を含めて、もちろん立ち上げ当初から巨大な資源を調達できるようなスタートアップは、この限りではない。


なお、これを書いていてふと思ったが、同じことはスタートアップに限らず、個人単位の自己学習にも当てはまるように思う。アンラーニングやリスキリングの重要性がさけばれる昨今、何か新しいことを身に着けようとする際、その方法を、自己完結度と測定可能度が高く、そして工夫用地が多くあるように設計すれば、楽しく身に着けることができるのではないか。そうした方法を考えることも、また楽しいものである。




皆さんは、どう思いますか?

IDATEN Ventures(イダテンベンチャーズ)について

フィジカル世界とデジタル世界の融合が進む昨今、フィジカル世界を実現させている「ものづくり」あるいは「ものはこび」の進化・変革・サステナビリティを支える技術やサービスに特化したスタートアップ投資を展開しているVCファンドです。


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